
「イエベ」「ブルベ」を知るとどうなるの?
「イエベ」「ブルベ」という言葉を、ファッション誌やSNS、コスメカウンターなどで耳にしたことはありませんか? これらは、肌や髪、瞳の色味を分析して分類するパーソナルカラーの一部です。自分がどのタイプに当てはまるのかを知ることで、次のようなメリットが得られます。
- 似合う色を的確に選ぶことができる
自分をより魅力的に見せる服の色やメイクの色を理解できるので、買い物で失敗しにくくなります。 - 第一印象がアップする
肌色をきれいに見せたり、顔立ちをはっきりと演出したりできるので、初対面の人に好印象を与えやすくなります。 - コーディネートの幅が広がる
自分に似合う色のバリエーションや組み合わせを知っていれば、日々のファッションをより楽しめます。
初心者の方がまず気になるのは「イエベとブルベって何が違うの?」「どうやって見分けるの?」ということだと思います。本記事では、その疑問を解消しながら、実践的に役立つ知識を網羅的に紹介していきます。
イエベとブルベの基本的な違い
イエベ(イエローベース)とは
イエベの人は、肌の色味に黄みが多く含まれ、温かみのある雰囲気が特徴です。たとえば、「オークル系のファンデーションがしっくりくる」「ゴールドのアクセサリーが似合う」と感じることが多い場合、イエベ寄りである可能性が高いと言えます。
- 肌色:ピンクよりも黄み・ベージュ系が強い
- 血管:手首の内側の血管が緑っぽく見えやすい
- 日焼け:焼けると肌がすぐにこんがりと赤茶色になりやすい、または赤くなった後にすぐ落ち着く
- 似合う色:オレンジ、サーモンピンク、カーキ、ブラウン、ベージュなど
ブルベ(ブルーベース)とは
ブルベの人は、肌の色味に青みやピンクが含まれ、涼しげでクールな雰囲気が特徴です。「ピンク系のファンデーションのほうがしっくりくる」「シルバーのアクセサリーのほうが肌になじむ」と感じる場合は、ブルベ寄りである可能性が高いです。
- 肌色:白色系、ピンクベージュ系が強い
- 血管:手首の内側の血管が青っぽく見えやすい
- 日焼け:日焼けすると赤みが強く出て、そのあと肌がくすんだり黒くなることが多い
- 似合う色:ローズピンク、ワインレッド、パープル、ネイビー、グレイッシュな色味など

イエベの主な特徴
イエベは「春(スプリング)」と「秋(オータム)」の2つのタイプに分けられることが多いです。ここでは、それぞれの特徴をもう少し掘り下げてみましょう。
イエベ春(スプリング)の特徴
- 肌質・雰囲気
肌に透明感があり、明るく元気な印象を与える人が多いです。肌自体は黄みがかっているものの、血色感が感じられやすく「若々しい」「可愛らしい」イメージを持たれることがしばしばです。 - 似合う色
ライトベージュ、コーラルピンク、レモンイエロー、明るいオレンジ、ライムグリーン、ターコイズブルーなど、パステルトーンやクリアな色が得意です。 - 苦手な色
ダークブラウンやボルドーのような深い色合い、スモーキーで濁った色、青みが強い色は顔色をくすませる可能性があります。 - メイクの傾向
ベースメイクは明るめのオークル系を選ぶと、肌のトーンがより生き生きと見えます。リップやチークには、コーラル系・サーモンピンクなどの明るい色を使うとフレッシュな印象を演出できます。
イエベ秋(オータム)の特徴
- 肌質・雰囲気
肌にしっかりとした落ち着きがあり、大人っぽく上品な雰囲気を持ちやすいタイプです。深みのあるカラーやゴールド系のアイテムがよく映えます。 - 似合う色
カーキ、マスタードイエロー、テラコッタ、オリーブグリーン、バーガンディ、モスグリーンなど、アースカラーやこっくりとした深みのある色合いが得意です。 - 苦手な色
ミントグリーンやベビーピンク、パステルブルーなど、淡く冷たい色はあまり得意ではなく、肌がくすんで見えやすい場合があります。 - メイクの傾向
ベースメイクはオークル系の中でもやや濃いめがしっくりくることが多いです。リップやアイシャドウにはブラウンやテラコッタ系を取り入れると、上品でシックな雰囲気を演出できます。
ブルベの主な特徴
ブルベは「夏(サマー)」と「冬(ウィンター)」の2タイプに分けられます。イエベに比べてクールで爽やかな印象を与えることが多いです。
ブルベ夏(サマー)の特徴
- 肌質・雰囲気
肌はソフトで、ややピンクを帯びていることがあります。全体的に柔らかい印象を与え、「優しそう」「清楚」などのイメージを持たれやすいです。 - 似合う色
パステルピンク、ラベンダー、ウォーターブルー、グレイッシュパステル、ローズ系、青みのある軽めの色合いが得意です。明度・彩度が低めのソフトトーンもよく似合います。 - 苦手な色
ビビッドな黄色やオレンジなどの黄みが強い色、濃いブラウンやゴールド系は肌がくすんだり、浮いて見えることがあります。 - メイクの傾向
ベースメイクはピンク系やクール系のファンデーションが肌になじみやすいです。リップやチークには、ローズピンクや青みピンクなどを使うと、上品で落ち着きのある印象に。
ブルベ冬(ウィンター)の特徴
- 肌質・雰囲気
色白でコントラストがはっきりしているタイプから、オリーブ系の肌色だけれど青みが強いタイプまで幅があります。雰囲気としてはシャープ、クール、モードなイメージを持たれやすいです。 - 似合う色
ビビッドなマゼンタ、ロイヤルブルー、真紅、ブラック、ホワイトなど、コントラストの強い色が得意です。白なら真っ白、黒なら漆黒、といったように極端に明度差がある配色でも負けない存在感があります。 - 苦手な色
くすんだアースカラー、優しい中間色、黄みの強いベージュなどは顔色を暗く見せる可能性があります。 - メイクの傾向
青みピンクやベリー系のリップが映え、アイシャドウでもグレーやボルドーなどが似合いやすいです。チークは薄めか、青み系のピンクをポイントに使うと洗練された印象に仕上がります。

イエベ向けファッション・メイクのポイント
ここでは、イエベ(イエベ春・イエベ秋)向けにもう少し具体的なファッション・メイクのコツを紹介します。
ファッションカラーの選び方
- イエベ春(スプリング)の場合
- 明るくクリアな色(コーラルピンク、イエローグリーン、パステルオレンジなど)をトップスに持ってくると顔色が生き生きと映えます。
- ベージュやライトブラウンなど、薄めの茶系も肌なじみが良いでしょう。
- イエベ秋(オータム)の場合
- テラコッタ、カーキ、マスタード、ダークブラウンなど、こっくり深い色が得意。
- ベースカラーとしてベージュやブラウンを使い、小物やインナーに差し色を取り入れると地味になりすぎません。
メイク(ベースメイク・チーク・リップ)の選び方
- ベースメイク
- イエベの方は、基本的に黄みよりのオークル系ファンデーションが馴染みやすい。
- ナチュラルな仕上がりを好む場合は、コントロールカラーにピンクよりもベージュやライトイエローを使用してみるのもおすすめです。
- チーク
- コーラルピンク、ピーチピンク、オレンジ系などが肌を明るく見せます。
- リップ
- コーラル系やサーモンピンク、ブラウンレッドなど、黄みがかった色味を選ぶと唇に血色感が出ます。
- イエベ秋タイプなら、深みのあるテラコッタやオレンジブラウンも似合いやすいです。
ヘアカラーやネイルの選び方
- ヘアカラー
- イエベは全般的にウォームブラウンやベージュ系、ゴールド系がよくマッチします。
- イエベ春は柔らかいライトブラウンやベージュ系、イエベ秋は暗めのブラウンやオリーブブラウンなどもおすすめ。
- ネイル
- 肌になじむベージュやピンクベージュが定番ですが、イエベ秋の方はダークブラウンやカーキ、ボルドーのような深みカラーも指先をおしゃれに見せます。
- イエベ春の方はクリア感のあるオレンジやピーチなど、明るい色を取り入れると軽快な印象に。
ブルベ向けファッション・メイクのポイント
次は、ブルベ(ブルベ夏・ブルベ冬)向けに特化したファッション・メイクのコツです。
ファッションカラーの選び方
- ブルベ夏(サマー)の場合
- 明度や彩度が高すぎない、ソフトなパステルトーン(ラベンダー、ベビーピンク、パステルブルーなど)が肌を引き立てます。
- グレイッシュなパステルカラーとの相性も抜群。
- ブルベ冬(ウィンター)の場合
- はっきりとしたコントラストの強い色(真っ白、真っ黒、ロイヤルブルー、ビビッドピンクなど)が得意。
- シックなモノトーンコーデに差し色でビビッドカラーを入れると、よりスタイリッシュな印象になります。
メイク(ベースメイク・チーク・リップ)の選び方
- ベースメイク
- ブルベにはピンク系やクール系のファンデーションがマッチしやすい。
- コントロールカラーにはラベンダー系を選ぶと透明感が引き出されやすいです。
- チーク
- ブルベ夏:ローズピンク、青みピンクなど、ソフトなピンク系チーク
- ブルベ冬:プラム系、青みがかったバーガンディ、または薄いピンク系を引き締めのポイントに
- リップ
- ブルベ夏:ローズピンク、ライトベリー系など、優しく柔らかな青みを含むカラー
- ブルベ冬:ディープレッド、ワインレッド、マゼンタ、濃いピンクなど、ビビッドでコントラストが強いカラー
ヘアカラーやネイルの選び方
- ヘアカラー
- ブルベ夏は、アッシュ系やマット系のブラウンが似合いやすいです。ややグレイッシュなトーンも◎。
- ブルベ冬は、黒髪やネイビーアッシュ、ダークアッシュブラウンなど、クールな色味がかっこよくハマります。
- ネイル
- ブルベ夏の方には、ローズベージュやパステルピンク、ラベンダーグレーなどが定番人気。
- ブルベ冬の方には、真紅やマゼンタ、ネイビー、ブラック系などシャープな色味が指先をモードに仕上げてくれます。

よくある質問(Q&A)
Q1. 「イエベ春」「ブルベ夏」など、複数の要素を感じる場合はどうすればいい?
A. 実際のパーソナルカラーは、一括りに「春だけ」「夏だけ」というわけではなく、人によっては要素が混在していることがあります。プロ診断でも「スプリング寄りだけどオータムも似合う色がある」と言われる場合も。無理に1タイプに決めつけず、似合う色の傾向を柔軟に取り入れると良いでしょう。
Q2. 「イエベだけどピンク系のファンデーションも似合う気がする…」
A. すべてのイエベがピンク系ファンデをNGとするわけではありません。メーカーごとの色味の違いや、肌の質感、ベースメイクの仕上げ方によってはピンク系でもしっくりくる場合があります。実際にテスターで試してみて、くすみやムラが出ないか確認するのがおすすめです。
Q3. 「日焼けして肌色が変わったら、診断結果も変わる?」
A. 一時的に変わる可能性はありますが、根本的な肌の色味自体が劇的に変化するケースは稀です。日焼けすることで似合う色が多少変化する場合もありますが、ベースの傾向は大きくは変わりません。シーズンの変わり目などに改めて自分に合う色を確認してみるとよいでしょう。
Q4. 「自己診断とプロ診断で結果が違ったらどうする?」
A. セルフチェックだけでは判断が難しい場合や、照明や季節の影響も考えられます。プロ診断は多数の色布を使い、客観的に診断してくれるため精度が高いですが、診断士のスキルや手法によっても結果が異なることがあります。結果が違った場合も、両方の情報をヒントに「自分がどう見えたいか」で調整していくと良いでしょう。
Q5. 「苦手な色をどうしても着たい場合、どう対処すればいい?」
A. 苦手色も着方次第では問題ありません。たとえば、苦手色をボトムスや小物に取り入れる、顔から離れた場所に配置する、得意色のストールやショールを首元に巻いて顔周りの印象をカバーするなど、工夫次第でバランスを取ることができます。
イエベとブルベを正しく理解してオシャレを楽しもう
イエベやブルベという分類は、あくまでも肌の色味をベースとした大まかなガイドラインです。実際には、4シーズン分類の中でもさらに細かいサブタイプがあったり、「複数のタイプがミックスされている」「照明や季節によって印象が変わる」など、一筋縄ではいかないケースも多々あります。
しかし、ファッションやメイクを選ぶ際に、まず「イエベっぽい色」「ブルベっぽい色」という大まかな方向性を知っておくだけでも、買い物の失敗が減り、自分をより魅力的に見せる色を見つけやすくなります。
- イエベは黄みがかった温かい色味が似合いやすく、ゴールドアクセサリーやアースカラー、コーラル系のメイクが◎。
- ブルベは青みがかった涼しげな色味が似合いやすく、シルバーアクセサリーやローズ・ワインレッド系のメイクが◎。
自分のタイプを把握し、そこからさらに「イエベ春」「イエベ秋」「ブルベ夏」「ブルベ冬」に分けていくと、似合う色の幅がどんどん見えてきます。とはいえ、あまり厳密にこだわりすぎると「私、これ着られない…」とファッションの楽しさが半減してしまうことも。あくまで目安として「自分をよりきれいに見せる色の方向性を知る」くらいのスタンスで活用するのがおすすめです。
もし余裕があるなら、一度プロのパーソナルカラー診断を受けてみるのも手。ただし、診断士や流派によって微妙に違う結果が出ることもあるため、一回の診断結果だけに縛られず、「自分が心地よい」「鏡で見た時に元気に見える・テンションが上がる」かどうかを最終的な判断基準にしてください。
最後に
イエベ・ブルベを知ると、洋服やコスメを選ぶときに「この色、私に似合うかも!」とわくわくしながら探せるようになります。実際の買い物でも、タンスの肥やしになるアイテムが減り、ワードローブ全体の統一感が高まりやすくなるでしょう。ファッションは自己表現の一つです。イエベ・ブルベの情報を参考にしながら、ぜひ自分らしいスタイルを見つけて楽しんでくださいね。